明治大正の文豪・幸田露伴による水滸伝百二十回本の全文訳『露伴訳水滸伝 上』! 舞台は北宋末の中国。社会のはみだしものがそれぞれの道程をたどって梁山泊に集結する痛快無比の中国古典小説。日本の江戸明治の戯作にも大きな影響を与えた。 この本はその水滸伝をはじめて逐語訳した労作。しかし口語文を漢文書き下しの方法で開いていったため、現代人からするとかなり読みづらいものとなっているが、それがまた一種の味となっている。随所に注釈が挿入。冒頭の解題も当時の水滸伝研究としては最高級のもので、今の目からみても得るところは多い。 底本は楊定見の百二十回本。全部を上中下三つに分割。 大正12年刊の国訳漢文大成文学部第18巻「水滸伝 上」の国会図書館所蔵本を画像のまま復刻 鄭屠笑って道ふ、却て是特地に來つて我を消遣するやと。魯達聽罷つて身を跳起し來り、那の兩包の臊子を拏着て手裏に在り、眼を睜らして鄭屠を看着して説道ふ、洒家特地に你を消遣するを要すと、兩包の臊子を把つて、劈面に打將し去る。却つて似たり一陣的の肉雨を下し了するに。鄭屠大に怒り、兩條の忿氣脚底下より起りて直に衝いて&
明治大正の文豪・幸田露伴による水滸伝百二十回本の全文訳『露伴訳水滸伝 上』! 舞台は北宋末の中国。社会のはみだしものがそれぞれの道程をたどって梁山泊に集結する痛快無比の中国古典小説。日本の江戸明治の戯作にも大きな影響を与えた。 この本はその水滸伝をはじめて逐語訳した労作。しかし口語文を漢文書き下しの方法で開いていったため、現代人からするとかなり読みづらいものとなっているが、それがまた一種の味となっている。随所に注釈が挿入。冒頭の解題も当時の水滸伝研究としては最高級のもので、今の目からみても得るところは多い。 底本は楊定見の百二十回本。全部を上中下三つに分割。 大正12年刊の国訳漢文大成文学部第18巻「水滸伝 上」の国会図書館所蔵本を画像のまま復刻 鄭屠笑って道ふ、却て是特地に來つて我を消遣するやと。魯達聽罷つて身を跳起し來り、那の兩包の臊子を拏着て手裏に在り、眼を睜らして鄭屠を看着して説道ふ、洒家特地に你を消遣するを要すと、兩包の臊子を把つて、劈面に打將し去る。却つて似たり一陣的の肉雨を下し了するに。鄭屠大に怒り、兩條の忿氣脚底下より起りて直に衝いて&