The Development of Wang Jingwei Movement for Peace: With Discussion on China before the Second Sino-Japanese War Forgotten History of Japan-China Relations

Yu Dafu

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　「革命未だ成らず・・・」孫文の信任厚い側近であり、その遺言の起草を行なった汪兆銘は、重慶国民政府を脱出し、蒋介石と袂を分かった。日本との和平を目指し、中国人民の平和と安全を取り戻すために・・・。汪兆銘政権が樹立される前の一九三九年に中国に渡り、和平運動のために命がけで奔走する汪兆銘派の人々に取材した著者が語る運動の経緯と今後の展望。「日本の傀儡政権」とされ、不当に評価されてきた汪兆銘政権の実像に迫る。
　また、魯迅と並んで中国近代文学を代表する作家の一人であり、日本に学び日本文学の大きな影響を受けた郁達夫が、日中戦争直前の中国社会の現状と対日感情について率直に述べた講演と、汪兆銘自身が日本への思いを述べたエッセイ『なぜ中国人留学生は日本の戦勝を願ったか』を併載。困難な時代状況の下、日中関係の改善を願った人々の姿。
　編集に当たっては、現代人にとってわかりやすい言い回しに改めるとともに、歴史に関する背景知識がなくとも理解しやすいように詳しい注を加えた。