俊成-定家ラインの権威の確立は『六百番歌合』によるものだ。判者俊成の批評は鋭く、定家の歌も華麗だ。ただしその判に、噛みついた阿闍梨がいた。文学が権威主義に陥ることに一人抗い、消えていった男の陳状を再考すれば、今までとは違った俊成が見えてくる。いまだ続いている文学界の権威主義を解き解すために、近代文学2.0はここまでさかのぼらなくてはならない。
俊成-定家ラインの権威の確立は『六百番歌合』によるものだ。判者俊成の批評は鋭く、定家の歌も華麗だ。ただしその判に、噛みついた阿闍梨がいた。文学が権威主義に陥ることに一人抗い、消えていった男の陳状を再考すれば、今までとは違った俊成が見えてくる。いまだ続いている文学界の権威主義を解き解すために、近代文学2.0はここまでさかのぼらなくてはならない。